研究期間全体を通しての主な研究成果は次のように纏められる。マヤ諸語、特にカクチケル語と喜界語の比較統語研究を中心に、分裂能格性が先行研究で主張されてきたような独立した規則から導かれるのではなく、各言語の統語的要因、特に異なる節タイプの統語的特性や語彙の意味的特性から派生される副次的な現象であることを示した。研究成果の一部を挙げると、マヤ諸語の名詞化と分裂能格性に関する学術論文が国際学術雑誌(Natural Language and Linguistic Theory, Springer)に掲載された。マヤ諸語と喜界語の分裂能格性に関する研究成果は単著(『言語の能格性』)として出版した。
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