研究課題/領域番号 |
18K12394
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研究機関 | 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所 |
研究代表者 |
新永 悠人 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 言語変異研究領域, 特任助教 (50812244)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 多地点方言調査の準備 |
研究実績の概要 |
初年度は、実際の調査に入る前に、多地点の簡易文法・簡易語彙集・自然談話を記述・記録する方法についての準備に専念した。具体的には、以下のことを行った。(1)簡易文法を記述するにあたり、どのような項目を含めるべきかを奄美語(湯湾方言)と沖縄語(首里方言)の文法を対照することで具体的に比較考察した。(2)簡易文法を記述するにあたり、基礎的な用語(概念)の簡潔な定義を行い、当該方言の知識がない研究者にも一読してどのような記述がなされているかを分かるようにした。(3)文法項目を調査する際に、既存の調査票を使う利点と、自ら調査票を作る利点を比較した。(4)ハワイ大学と国立国語研究所において言語記述・記録を専門としている研究者らとともに、多地点の簡易文法・簡易語彙集・自然談話のデータの整理をどのようにすべきか、そしてその方法論をどのように共有すべきかを協議した。(5)自身が記述した奄美語(湯湾方言)の総合的記述文法書をハワイ大学の研究者(5名)と読み、どの文法項目が類型論的に興味深いものであり、湯湾以外の地域でも調査する必要があるのかを吟味した。また、どのような記述が分かりやすく、逆にどのような記述が分かりにくいものであるかも話し合った。(6)現地に赴き、当該地域に生まれ育った老年層が少ない地域がどの地域であるかを特定し、次年度は当該地域から調査を開始することにした。 次年度は上記の準備を踏まえ、具体的な方言調査を開始する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
多地点方言の調査にあたり、十分な事前準備・考察を行うことができた。
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今後の研究の推進方策 |
初年度の事前準備をもとに、次年度から具体的な現地調査を開始する。
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次年度使用額が生じた理由 |
初年度は現地調査の準備に専念したため。翌年度に集中して現地調査を行う。
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