研究課題/領域番号 |
18K12396
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研究機関 | お茶の水女子大学 |
研究代表者 |
石井 久美子 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 助教 (60774990)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 語彙 / 外来語 / 少女雑誌 |
研究実績の概要 |
本研究では、明治から昭和にかけての少女雑誌『少女の友』に出現する外来語を調査している。大正期の外来語、子どもの外来語に関する研究は少なく、これらを研究対象とすることによって、戦前において世代を問わず理解することのできた定着度の高い外来語を明らかにすることを目指している。2年目の平成31・令和元年度は、関連する先行研究および資料の収集をほぼ終え、データベース化を進めた。詳細は以下の通りである。 ・先行研究は、外来語関連をはじめ、言語を対象とした研究だけでなく、少年少女雑誌の研究、少女に関する研究など多岐に亘って収集した。また、国立国会図書館に所蔵する資料のうち、大正期にあたる60号分を閲覧した。 ・アルバイトの協力を得て、外来語の抽出作業およびデータベースの入力作業を進めた。 ・飲食に関する語に注目した結果、若年層向けではあるが、当時の食文化が反映されていることがわかった。これについては、分担執筆した『五感で楽しむ食の日本語』(くろしお出版)が2020年度中に刊行予定である。 ・一般名詞の調査により、大正期の少女が具体的なものを指す語を中心に、幅広い意味分野の外来語に触れ、使いこなしていたことが明らかになった。これについては、『日本学研究叢書 語学編第3巻 日本語語彙論』(外語教学与研究出版社)に掲載予定である。 以上の研究により、大正期の少女雑誌に現れた外来語について、資料を収集し、データベースを整備することで、その使用実態が明らかになってきた。研究代表者がこれまでに調査を行ってきた大正期の雑誌(『中央公論』『婦人公論』)に見られる外来語との違いも判明しつつある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
データベース化のための資料収集がほぼ終了し、データ入力の作業を進められたため。
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今後の研究の推進方策 |
最終年の2020年度は、データベース化の作業を行うアルバイトを増員する。それによって豊富なデータを用いて研究が行えるようにする。同時に、学会や研究会で口頭発表を行い、論文を投稿するなど、研究成果の発表に努める。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度にデータの入力を行う人材を増員し、その謝金として使用するため。
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