研究課題/領域番号 |
18K12398
|
研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
野間 純平 島根大学, 学術研究院人文社会科学系, 講師 (30780986)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
キーワード | ノダ文 / 山陰方言 / モダリティ |
研究実績の概要 |
2019年度は、前年度に引き続き、過去の調査データの文字化作業を行った。前年度と同じく、対象とした地点は島根県出雲市・川本町・隠岐の島町・鳥取県倉吉市だが、これに加えて、島根県浜田市のデータの文字化にも着手した。このデータは他の地点のものと違い、40年ほど前に収録されたものである。そのため、他のデータよりも収録時期が古く、他の地点と同列に扱うことはできないが、より伝統的な方言の形が残されているなど、他のデータとは違った分析ができると考えられる。今後、参考データとして活用していく予定である。 そして、談話データにおけるノダ文の使用実態を記述し、その機能を分析する作業は、予想したほど順調には進んでいない。分析の過程で様々な問題点が浮上し、当初予定していた分析方法に行き詰まりが感じられるため、既存のコーパスを用いた分析も並行して行っている。この2つの分析を並行させながら、データ整理と分析の方法を試行錯誤している。当初の方法による分析も継続して行っているので、次年度ではこれを形にすることを目指す。 また、前年度に引き続き、疑問表現や命令表現における「ダ」のふるまいを中心とした面接調査を行った。本年度は出雲方言と隠岐方言を対象とした。この調査の成果は本年度に口頭発表を行うことを予定していたが、予定ほどには調査が進まなかったため、現在未発表である。2020年度での発表を目指すが、追加の調査が行える状況になるかどうかによる。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
談話データの分析方法をさらに検討する必要があり、当初の予定ほどには進んでいない。また、新型コロナウイルスの影響により対面での調査ができず、面接調査も計画どおり行えていない。以上のことから、進捗状況はやや遅れていると判断した。
|
今後の研究の推進方策 |
いつ面接調査が再開できるか不透明なので、談話データの分析を優先して行う。特に、当初から予定していた方法での談話データ分析と、新たに始めたコーパスの分析を、口頭発表か報告書の形で発表する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの影響により研究会が中止となり、それに出席するための旅費として予定していた分が次年度使用額として生じた。
|