山陰方言における「ノダ文」(標準語の「~んだ」「~んです」に相当する表現)がどのような機能を持つかを明らかにするため、談話文字化資料を作成した。この談話資料や、他方言を含めた方言コーパスを用いて、当該方言におけるノダ文がどのような場面で使用されているかを分析した。その結果、形のうえで「ノダ」に相当する形式であっても、談話における使われ方や機能が異なることがわかった。特に、島根県の出雲方言は、「用言+ダ」をそのまま標準語の「ノダ」に置き換えるだけでは記述できず、同様の傾向は疑問文や命令文とも関係することが明らかになった。
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