研究課題
若手研究
古代語の「詠嘆」「強意」「念押し」を表すとされる終助詞群「かな」「よ」「や」「かし」「な」について研究した。第一に、「や」には疑問の助詞の場合と詠嘆の終助詞の場合があるが、どのように両者を弁別できるのか、第二に、「や」「な」はどのような意味を表すのか、「な」の表す確認は、現代語「ね」の表す確認とどう違うのかなどを明らかにした。さらに、終助詞の体系的記述の第一歩として、「かな」「よ」「や」「かし」の関係性を、助動詞との承接の観点から明らかにした。
日本語学
終助詞が表す意味は、発話の内容を話し手がどう捉えるかというものではなく、聞き手に向けられるものである。その終助詞の個別的な意味が鮮明になったことは、古典語研究において有用であるのみならず、古典作品の読解にも大きな意味を持つ。また、終助詞の用法を現代語と古代語とで比較することにより、時代間のコミュニケーションのあり方の違いを考えることにもつながることになると考えられる。