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2019 年度 実施状況報告書

計量的観点に基づく近世後期口語資料の分析と評価

研究課題

研究課題/領域番号 18K12402
研究機関常葉大学

研究代表者

市村 太郎  常葉大学, 教育学部, 講師 (10701352)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワード日本語史 / 近世語 / 古今集遠鏡 / コーパス
研究実績の概要

本年度は、研究対象である本居宣長『古今集遠鏡』コーパス構築を試行した。入力したテキストデータについて、古今集本文や宣長訳を仕分けし、アノテーションを行ってXMLデータを作成した。そのうえで、国立国語研究所によるコーパス検索ツール「ひまわり」用データを作成し、その有用性や課題を確認した。その成果については、「通時コーパスの構築と日本語史研究の新展開」活用班(近世・近代グループ,文体・資料性グループ)研究発表会において発表した。
また、当該研究会発表においては、研究例として『古今集遠鏡』訳出部分に用いられた程度副詞の使用状況を確認し、先に作成した国立国語研究所『日本語歴史コーパス 江戸時代編Ⅰ洒落本』における程度副詞の使用状況と照らし合わせ、その特徴を論じた。加えて、中古語・近世語の対訳資料としての利用価値を示唆した。
現在、『古今集遠鏡』に関しては、今年度入手した版本を画像データ化し、構築データとの確認作業や、版本の丁数情報の付与、漢字字体の整理等を進めているところである。
また、『古今集遠鏡』以外の資料についても、データ構築を進めている。『鳩翁道話』『道二翁道話』などの心学道話の版本を入手し、大学院生等の協力を得つつ、テキスト構築や画像作成を進めているところである。
なお、当初予定していた『唐詩選国字解』は、版本自体は入手しているものの、検討の結果、データ構築に相当な準備を要すると判断し、保留している。代わりに、『古今集遠鏡』以外の対訳記載資料として、富士谷成章著『あゆひ抄』『かざし抄』のデータ化作業に着手したところである。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

対象資料の再検討を行ったり、作業協力者の確保に難航するなど、必ずしも当初の予定通りに進んでいるわけではないが、進捗している。

今後の研究の推進方策

今年度は、まずは『古今集遠鏡』のテキスト検索用データ化作業を終えることを目指したい。そのうえで、他資料のXML構造化に着手したい。また、データそれ自体とともに、これらの経過や、成果を論文等として公表したいと考えている。
ただ、新型コロナウィルス感染症による移動制限や施設使用制限等の影響により、作業の停滞や作業人員確保のさらなる難航、成果物公表の遅れが予想されるため、適宜人員の確保に努め、対応していきたい。

次年度使用額が生じた理由

作業を依頼するに足る協力者の確保に難航したことや、新型コロナウィルス感染症拡大に伴う移動制限や学会の中止等による。
次年度は引き続き人員確保に努めるとともに、可能な限り研究行事への参加を行いたい。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 副詞「ほんとうに」の展開と「じつに」「まことに」―近代語から現代語へ―2019

    • 著者名/発表者名
      市村太郎
    • 雑誌名

      国文学研究

      巻: 188 ページ: 112 - 98

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 『古今集遠鏡』コーパス構築の試み2019

    • 著者名/発表者名
      市村太郎
    • 学会等名
      国立国語研究所共同研究プロジェクト「通時コーパスの構築と日本語史研究の新展開」活用班(近世・近代グループ,文体・資料性グループ)研究発表会

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公開日: 2021-01-27  

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