本研究では、自然言語における一致 (Agreement)の普遍性に関して、理論的・実証的研究を実施した。具体的には、Miyagawa (2010, 2017)により提唱されたStrong Uniformityと素性継承システムのパラメータ化の理論的枠組みを一部修正し、二つのタイプの焦点卓越言語を含む自然言語の新分類を提案した。そして、現代英語と現代日本語間の統語構造の共時的変異、さらにはそれらの通時的変化に共通する普遍的なメカニズムを明らかにし、統一的な説明を与えた。また、焦点卓越言語におけるPhi素性一致に語用論的要素が関与するメカニズムについても、その詳細を明らかにした。
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