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2023 年度 実績報告書

テキストの特徴からみた日本語教育のための類義表現研究

研究課題

研究課題/領域番号 18K12420
研究機関東京学芸大学

研究代表者

小西 円  東京学芸大学, 大学教育研究基盤センター機構, 准教授 (60460052)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2024-03-31
キーワード日本語教育 / 類義表現 / 日本語学習者 / 文体
研究実績の概要

本研究の目的は、日本語の多様な文章・談話(ここではテキストと呼ぶ)を計量的に分析し、テキストのスタイルとそこで使用される類義表現の関係を明らかにすることである。つまり、テキストの種類が変われば、使用される類義表現にも違いがみられるのではないかという仮説から出発している。また、テキストのスタイルと類義表現の関係を、日本語教育に役立つ形で記述することも、目的の一つである。
本研究ではテキストのスタイルを把握するために、テキストの文体情報を人手で入力した『BCCWJ図書館サブコーパスの文体情報』を利用した。研究期間の前半には、『BCCWJ図書館サブコーパスの文体情報』に示されている5つの指標「専門度」「客観度」「硬度」「くだけ度」「語りかけ性度」が、類義表現の分析にどの程度役立つかを把握するために、逆接の類義表現を事例として調査を行った。その結果、「専門度」「客観度」「硬度」「くだけ度」の4指標で類義表現を序列化できる一方で、多くの類義表現の指標値が中央に位置し、指標によって類義表現の違いを記述することは容易ではないことも明らかになった。そこで、研究期間の後半では、日本語教育において必要とされる類義表現の文体記述の焦点をしぼるため、学習者がどのように文体情報を把握しているかを明らかにするための調査を行った。その結果、学習者は上記の指標のうち特に「くだけ度」の把握が難しいことがわかった。「くだけ度」はさまざまな待遇的側面を持っており、学習者はそれらを部分的にしか把握できていなかった。また、「です」「ます」といった丁寧体が、音声言語で使用されたときに有する意味と、文字言語で使用されたときに有する意味を整理して把握できていない様子も見られた。これらの研究成果を応用することで、日本語教育に益する類義表現の文体記述が可能になると考えられる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2024

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] 上級日本語学習者は文章の文体をどのように把握するか2024

    • 著者名/発表者名
      小西円
    • 雑誌名

      『国立国語研究所論集』

      巻: 27 ページ: ー

    • 査読あり / オープンアクセス

URL: 

公開日: 2024-12-25  

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