• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2019 年度 実施状況報告書

海外日本語補習授業校におけるリテラシー能力強化をめざす新たな日本語教育プログラム

研究課題

研究課題/領域番号 18K12423
研究機関國學院大學

研究代表者

加納 なおみ  國學院大學, 教育開発推進機構, 准教授 (20726880)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワードトランス・ランゲージング / 多言語話者 / マルチリテラシーズ教育 / 補習授業校 / 日本語教育プログラム
研究実績の概要

初年度は、研究協力校として予定されていた補習授業校(以下、補習校)の組織変更を受けて、新たに研究協力校を募る必要が生じた。幸い、2年目となる2019年度にはアメリカ東海岸の補習校の協力を得られることが確定し、協力校における教育理念・目標・活用可能なリソース、学習者のニーズなどの検討を開始した。8月の協力校訪問では、事前の聞き取りに続き、授業見学、先生方とのミーティングで指導法等に関する意見交換を行った。本研究の理念と教育実践において中心的な役割を果たす「トランス・ランゲージング(以下TL)」についても議論を重ねた。学習者を多言語話者と位置付ける指導者と、母語話者規範を受容する指導者・保護者側では前提とする言語教育モデルが異なるため、続く9月の学校訪問では再度教員対象のレクチャーと保護者対象の説明会を開催した。協力校では、学習者の多言語使用実態を教育実践に生かそうとする積極性と柔軟性に富んだ教育姿勢が共有されているが、コミュニティ全体における均質的な浸透については未だ余地があり、「TL」を含んだマルチリテラシーズ教育の実践にはさらに文脈に応じた対応が必要であることが認められた。生徒たちの自発的な「TL」及び指導側が活用する「TL」の意味や機能を振り返り、その教育的効果を意識化するとともに、対象とする年齢・学年や担当する指導者固有の教育理念を尊重しながら継続性のある教育実践の模索を始めた。授業数のみならず、全てにおいて時間的に厳しい制約のある補習校において、その教育的リソースを有効に活用するためのプログラム開発が不可欠であることが改めて確認された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

研究協力校における年度末の総括的な活動の見学及び先生方との直接意見交換を通じ、具体的なニーズや問題点をさらに明確化・具体化するために予定していた現地調査が、新型コロナウィルス感染拡大問題の影響を受け、取りやめざるを得ない事態となった。新年度開始後も日米間の移動にはなお大きな制約があり、調査目的での移動再開の見通しも実質立っていないため、原案どおり進めることは困難な状況である。

今後の研究の推進方策

上述のとおり、新型コロナウィルス問題により影響を受けて変化した諸条件に対応するため、計画を全面的に見直す必要がある。現地調査再開の目処が立たないことから、オンライン上での研究交流を拡充し、実現可能な側面から実施と検証を図る。また、新たな教授法の導入には、教師教育が重要な意味を持つため、オンラインでのサポートプログラムなどの可能性についても検討する予定である。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウィルス問題の影響で、現地調査が実施不可となった事等から、計上していた旅費が不要になったことが主要な要因である。現地調査再開の見通しが立たない現況を鑑み、オンラインでの国際研究集会開催等、本調査の対象者となる層に還元する機会の提供を多角的に検討していくこととする。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 国際共同研究 (1件)

  • [国際共同研究] フィラデルフィア日本語補習授業校(米国)

    • 国名
      米国
    • 外国機関名
      フィラデルフィア日本語補習授業校

URL: 

公開日: 2021-01-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi