研究課題/領域番号 |
18K12433
|
研究機関 | 東京外国語大学 |
研究代表者 |
嶋原 耕一 東京外国語大学, 世界言語社会教育センター, 講師 (00805187)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
キーワード | 会話分析 / 国際共修 / 日本語教育 |
研究実績の概要 |
研究期間3年目だった2020年度は、当初国内外での学会発表を軸とした研究発信、及び他の研究者との交流を通した研究の発展を予定していた。しかし新型コロナウイルスによる影響が自身の教育業務や研究業務、さらに国内外の学会開催中止などの多方面に及び、考えていた通り研究を進められず歯がゆい思いをした一年だった。見通しが立てにくい一年でもあり、前半は自身の分析を進めることに集中した。前年度から引き続き、ディスカッション内の修復シークエンスに注目し分析を進めた。お互いにどのような知識を持っていること、また持っていないことを前提としているのか、そして修復シークエンスを通して相互作用にいかなる帰結がもたらされているのかについて分析を進め、論文を書き進めた。年度後半では、まず10月にオンライン上で開催された韓国日語日文學會2020年秋季国際学術大会にて、修復シークエンスに関する口頭発表を行った。限られた学会の機会を利用し、参加者らから貴重な意見を得られ大変勉強になった。ただ、いただいた意見を反映させるために論文を大幅に修正することとなり、年度内に論文を投稿することはできなかった。さらに、修復シークエンスに加えて「応答の連鎖」という現象にも注目し、現在分析を進めている。こちらは、例えば日本に関する質問に対してグループ内の日本人2名が、いかに応答を組み立てるのかについての分析である。こちらの分析についても、年度内の投稿はかなわなかったが、2021年度前半の論文投稿を目指している。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
コロナ禍に翻弄された2020年度は、オンライン授業の準備・実施に多大な時間を割かなければならず、研究する時間を十分に確保することができなかった。また研究発表のための学会も中止が相次ぎ、研究成果を発信・発展させることが難しい1年だった。
|
今後の研究の推進方策 |
最終年度となる2021年度は、積極的にオンラインで開催される学会などに出席し、他の研究者らと交流しながら自身の研究を発展させていきたい。前半の目標としては、2020年度から書き進めている「修復シークエンス」と「連続した応答」に関する、2本の論文の投稿である。またその後、それらの分析を踏まえた上で、本研究課題のキーワードとなっている「母語話者であること」や「日本人であること」というカテゴリーについて、国際共修教育という場でどのようなことがいえるのか、考察を深めたいと考えている。
|
次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの流行により出席予定だった学会が中止となり、旅費の使用がなかったため次年度使用額がわずかに生じた。パンデミックの状況にもよるが、2021年度、旅費として使用したいと考えている。
|