研究課題
若手研究
日本人学生と留学生のグループディスカッション場面を録音・録画し、カテゴリーと行為連鎖という観点から、会話分析の方法を用いて分析を行った。特に国事情について問う質問から始まる質問応答連鎖に注目し、応答者が様々な資源を用いて第三者の介入を引き込む様子を分析した。そしてそれにより、参与者らが集団の水準で応答を産出するということ、知識の共有を共有していない相手に見せることで異文化性が達成されていることを記述した。
日本語教育
日本語教育分野では、接触場面におけるカテゴリー交渉について、いくつかの研究がなされてきた。しかしそれらの研究では、母語話者から学習者へのカテゴリー化が学習者の自由な会話参与を阻むものとして扱われることが多く、カテゴリー化がもたらしうる他の帰結が、十分に注目されることがなかった。本研究では、質問応答連鎖においてどのように特定のカテゴリーがレリバントになるのかに注目し、帰結として異文化性が達成されることを記述した。そのような側面に光を当てたことに、研究の意義があったと考えている。