研究課題/領域番号 |
18K12436
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研究機関 | 四天王寺大学 |
研究代表者 |
麻生 迪子 四天王寺大学, 人文社会学部, 講師 (90625188)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 中国人日本語学習者 / 多義語学習 / 個人差 |
研究実績の概要 |
当該年度は,コロナ禍と家族の介護等で新規データ取得や実験準備等を行うことができなかった。代わりに,当該年度は,既存データの分析と論文投稿を目指した。 本研究の目的は、「未知語意味理解ストラテジー」の成功の可否に「言語適性」がどの程度影響を与えるのかを明らかにするものである。本年度は、「文脈を利用した意味推測」に「言語適性」がどの程度影響を与えるのかを分析した。本研究では、「言語適性」のうち、①ワーキングメモリ ②言語分析能力に焦点をあて検討をした。 具体的には、「文脈を利用した意味推測課題」の得点と①ワーキングメモリテスト②言語分析能力測定テストの得点の相関を検討した。その結果、①ワーキングメモリテスト②言語適性テストいずれについても有意な相関ではなかった。この結果が示すことは、大きく2つある。まず、第一に、本調査が準備した課題に不備があったという点である。例えば、①ワーキングメモリテストについては信頼性の値が低く抽出された。再検討の余地がある。第二に、「文脈を利用した意味推測」には、文脈の量により言語適性が大きな影響を及ぼすという可能性である。本研究で用いた「文脈を利用した意味推測」においては、文脈は最小限とした。そのため、「言語適性」が意味推測の可否に影響を及ぼさなかった可能性がある。 本調査の結果を受け、調査課題の再検討を行う。また、意味推測課題における文脈の量を調整し、検討を行いたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウィルスの影響で、調査地に渡航ができなくなったことが大きな理由である。それに加え、家族の介護などが加わり、調査研究に時間を割くことができなくなった。
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今後の研究の推進方策 |
本年度も調査地である中国はゼロコロナを推奨しており、渡航が難しい。そのため、オンラインでの調査を実施する予定である。すでに、調査協力校には快諾を得ている。
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次年度使用額が生じた理由 |
調査サイトの作成とともに研究協力者謝金、文字起こし業者謝金に使用する予定である。
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