研究実績の概要 |
本研究の目的は、日英語の数量詞の意味的・統語的違いを考察し、日本語を外国語として学ぶ学習者が、日本語の数量詞を正しく解釈できるかどうかを明らかにすることである。2020年度に取り組んだ研究内容は以下の通りである。 (1)日本語の数量詞の解釈(特定性)について、中国語との違いを指摘したHuang and Ochi(2014)に基づき、中国人留学生による日本語の数量詞の解釈の実験を2019年度に行い国際学会で発表した。その発表内容を2020年7月に国際学会のプロシーディングズ(『Proceedings of the 44th Annual Boston University Conference on Language Development (BUCLD44)』p.444-456,Cascadilla Press)として出版した。 (2)部分構造で用いられる裸名詞の解釈について、2019年度の実験とは異なる実験文を用いて日本語母語話者に追加実験を行った。この結果を論文として2021年3月に出版した(『三重大学教養教育院紀要 第6号』p.77-84)。 (3)(1)を含む日本語の意味解釈に関する一連の研究の概要を整理し、2021年3月に論文として出版した(『Philologia vol.52』三重大学英語研究会)。 (4)他の研究の動向を把握するため、書籍『第二言語習得研究モノグラフシリーズ2 語彙・形態素習得への新展開』(白畑・須田編、くろしお出版 2018年)を読んで書評にまとめて2020年12月に出版した(『Second Language Vol.19』日本第二言語習得学会、p.83-88)。
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