研究課題
若手研究
本研究では、英語を母語とする日本語学習者が、日本語の数量詞の位置と解釈を正しく習得できることを実験を通して明らかにした。この結果は、フランス語の数量詞の位置と解釈を調べた先行研究(Dekydspotter et al.,2001)に続き、第二言語習得の初期には母語転移が見られるものの最終的には第二言語の母語話者同様の文法知識の習得が可能であるとするFull Transfer Full Access仮説(Schwartz and Sprouse 1996)を支持している。
第二言語習得
本研究の新規性は、これまでの第二言語習得研究ではほとんど調べられていなかった日本語の数量詞の解釈の習得を調べた点にある。また本研究では、学習者に加えて日本語母語話者にも実験を行い、理論言語学で指摘されてきた数量詞の解釈が、言語学者ではない一般の日本語母語話者の知識として存在することも確かめた点で意義がある。