研究課題/領域番号 |
18K12450
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
岡田 悠佑 大阪大学, 言語文化研究科(言語文化専攻), 准教授 (70551125)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 学術目的のための英語 / コミュニケーション活動 / 口頭フィードバック / 会話分析 |
研究実績の概要 |
本研究は、EAP授業でのプレゼンテーションやディスカッション活動への口頭フィードバックという教師の実践知を包括的に解明することにより、EAP授業におけるコミ ュニケーション活動への教育効果の高いフィードバック法をモデル化し、EAP教育の質的向上に貢献することを目指すものである。平成30年度の研究計画として、(1) 「EAP授業コーパスの構築と書き起こしによる分析資料化」と (2) 「口頭フィードバックの横断・比較的分析と口頭フィードバックの縦断・波及的分析」を設定した。以下、それぞれの実績の概要を述べる。 まず、(1)「EAP授業コーパスの構築と書き起こしによる分析資料化」については、研究開始時までに集めていた日本国内の国立大学及び私立大学でのEAP授業の録画録音データ88件に加え、国立大学と私立大学でのEAP授業の新しい録画録音データそれぞれ72件と29件を採集し、内144件のデータを会話分析の手法に則り文字化し、分析可能な資料とした。残る45件のデータについては、現在書き起こし中であるが、かなりの規模のEAP授業コーパスが構築でき、さらに分析可能な文字化資料となった。 次に、(2)「EAP授業コーパスの構築と書き起こしによる分析資料化」と (2) 「口頭フィードバックの横断・比較的分析と口頭フィードバックの縦断・波及的分析」については、短期的効果と長期的効果について、それぞれ効果のあるフィードバック手法を会話分析により解明した。成果の一部は、国内学会において口頭発表し、関連論文を紀要に投稿した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究目的に沿い、平成30年度の2つの主たる研究計画である (1)「EAP授業コーパスの構築と書き起こしによる分析資料化」と (2) 「口頭フィードバックの横断・比較的分析と口頭フィードバックの縦断・波及的分析」をおおむね計画どおり進めることができた。ただ、申請当初は年度末に国際学会での口頭発表とそれに伴う国際誌への論文投稿を予定していたが、実施を見送った。(国際学会での口頭発表はプロポーザルは採択されていた。)これは研究代表者の私的事情(自宅の引越し)により、計画を軌道修正したためである。平成31年度(令和元年度)以降に追加で国際学会での口頭発表を行うことで、計画どおり研究を進めていく。
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今後の研究の推進方策 |
平成31年(令和元年)度は、これまでに構築したEAP授業ビデオコーパスにおける口頭フィードバック手法の横断的分析と縦断的分析、そしてEAP授業における口頭フィードバック手法のモデル化を試みる。まず第2四半期までに、授業(教員)間に共通するまたは特定の授業(教員)に特有のフィードバック手法とその相互行為的結果を探ると同時に特定授業における特定のフィードバック手法の学生のパフォーマンスに対する長期的な効果を明らかにする。そして第3四半期以降は、EAPとしての英語パフォーマンス力向上に効果のある口頭フィードバック手法のモデル化を行う。随時、英語教育関連学会や論文誌にて研究・論文発表を行い、分析及び考察の精緻化を図る。 令和2年度は、まず第2四半期までに、構築したモデルが実際に適切な効果を生むのかを複数の協力者の授業において検証する。そして得られた結果をまとめ、本研究課題の成果を幅広く発信するために書籍として出版する準備を行う。随時、英語教育関連学会や論文誌にて研究・論文発表を行い、分析及び考察の精緻化を図る。
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次年度使用額が生じた理由 |
国際学会(American Association for Applied Linguistics)及び国内学会(社会言語科学会)への参加を私的都合(引越し)により取りやめたことによる旅費支出の低下が主な理由である。平成31年度(令和元年度)は、多くの国際・国内学会に参加することで、研究成果を多く発表し、英語論文の執筆につなげ、旅費と英文校正費に研究費を使用する予定である。現在、1件の国内学会には採択されており、また2本の英語論文も執筆中であるため、計画は順調に履行されると考えられる。
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