研究課題/領域番号 |
18K12450
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
岡田 悠佑 大阪大学, 言語文化研究科(言語文化専攻), 准教授 (70551125)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | フィードバック / 英語教育 / EAP / 会話分析 |
研究実績の概要 |
平成31年度 (令和元年度) の研究課題は学術目的のための英語授業において、どのような教師の口頭フィードバックが学習者の学術的な英語能力向上に寄与するのかを明らかにすること、そして口頭フィードバック効果の横断的パターンの概念化 口頭フィードバック効果の縦断的パターンの概念化を行うことであった。 当該年度に行った研究としては、上記2つの目的を達成するために必要な分析の基礎として、TOEFLまたはTOEICによる英語力としては初級、中級、上級に分けることができ、また学術レベルとしても1年生と2年生という学年で分けることのできる、185の学術目的のための大学英語授業での教師からのフィードバック場面を採集し、会話分析の視座に基づく文字資料化を完了させたことである。そして分析成果として、EAP授業における効果的な教師のフィードバックの特徴を探る横断的分析の成果を中心に発表を行った。 学術論文による成果報告が1件(「話し手の語りに対して聞き手が言いうる発話」を話し手が演じること―英語授業での教師による描出発話―,言語文化共同研究プロジェクト2018 応用会話分析研究 ―制度的会話におけるカテゴリー化と連鎖構造―,2019年05月)、そして学会発表による成果報告が2件(「聞いている」以上を引き出すために―学術目的のための英語授業における教師のフィードバックの会話分析―,第2回JAAL in JACET学術交流集会,2019年11月,及び Managing learning opportunity and motivation in interaction: Teacher’s sequential practice in post-performance feedback in EFL classrooms,FLEAT VII,2019年08月)である。縦断的な研究の分析の結果は現在、論文投稿中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
COVID-19の影響で3月に発表を予定していた国際学会が延期になったものの、横断的なデータと縦断的なデータの採集を終え、会話分析の視座に基づくデータの文字資料化を完了させることで、分析の一部を完了させたこと、そして分析結果の国際学会 (FLEAT VII) と国内学会 (JAAL in JACET学術交流集会)での発表を行い、学術論文の掲載 (言語文化共同研究プロジェクト2018 応用会話分析研究) そして学術誌への論文投稿 (2件)も行っていることからおおむね順調に研究が進展していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
学術目的のためのとしての英語コミュニケーション能力向上に適切な口頭フィードバック手法として包括的視点から みた学習効果を授業レベルごとにモデル化することを目指していたが、COVID-19の影響で、共時的授業がなかなか行えない状況であることから、新しい授業でモデルの有効性を検証するのではなく、これまでに採集しているデータからの検証を進める方向で研究を進める。また採択され6月に発表予定であった2つの国際学会もCOVID-19のため延期になり、また国内学会も多くのものが不開催になっているため、学会発表による研究成果の報告ではなく、学術論文としての成果報告に注力していく。学会発表で得られる予定であった分析・考察に対するフィードバックは、遠隔・オンラインでの研究会の開催と参加により代替する。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19の影響で採択され発表予定であった国際学会が延期になったため、予定していた旅費が残額として残ったため。
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