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2018 年度 実施状況報告書

カタルーニャ独立問題に伴う言語多様性継承政策のパラダイムシフトに関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 18K12453
研究機関宮崎大学

研究代表者

寺尾 智史  宮崎大学, 語学教育センター, 准教授 (30457030)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード言語多様性継承 / カタルーニャ / ボリビア / パラグアイ / エクアドル / 赤道ギニア / アンゴラ / サントメ
研究実績の概要

初年度である2018年度は、研究の基盤部分となる、近年のカタルーニャ情勢をめぐるスペインおよび欧州の言説についての洗い直しに力点を置いた。また、研究の応用分野となる、欧州以外でのカタルーニャ情勢と関連した言語政策の動きを積極的にモニタリングした。その主な対象は、アジアの韓国(済州島のことば、プサンのことば〔の保全に関わる各セクターの関係者〕)、台湾のことば(パイワン語など)、フィリピン(ビサヤ語など)、インドネシア、南米のボリビア(アイオレオ語など)、パラグアイ(マカ語など)、エクアドル(シュアル語など)、ペルー(シピポ語など)、アフリカの赤道ギニア(ブビ語など)、アンゴラ(キコンゴなど)、モザンビーク、サントメ、カーボ・ベルデ等である。こうした調査の結果、カタルーニャの独立を志向する動きが、アジア、南米およびアフリカの少数言語/先住民言語称揚/許容の動きを制する、微妙な影を落としている現状を把握することができた。こうした研究結果を、数次にわたって研究会、論文等で発表することができた。具体的には、ヨーロッパ域外地域での、言語多様性を評価する政策が、国レベルでは退行し、予算が経済動向(景気後退)などの間接的な事由をもとに漸減しているようなケースも見られた。一方で、国家より下の(小)地域レベルでは、これまで同様もしくはそれ以上に言語多様性の保全、継承、復興への関心が高まっている事例も見受けられた。各セクター間で、こうした乖離しつつある評価や関心を、今後、どのように調整し、齟齬や破綻の無い形で進めていくか、調整に当たっている各セクターの担当者等ステークホルダーへのヒアリングを進めた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究を進展させるための情報収集が順調に進展したため。

今後の研究の推進方策

本課題研究の第二年度である本年度は、第一年度である昨年度に収集した資料等情報を活用し、適宜準備したうえで、カタルーニャおよび、カタルーニャの言語政策が影響を与えている欧州域外の地域のフィールドワークを行うことを予定している。

次年度使用額が生じた理由

海外のフィールドワーク準備に十全を期すため、18年度予定していたものを19年度に実施する予定にしたため。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (5件)

  • [雑誌論文] Reconsidering our linguistic deiversity from Mirandese: the "lastest" and "least" among Romance languages2018

    • 著者名/発表者名
      Satoshi TERAO
    • 雑誌名

      Linguistic Regionalism in Eastern Europe and Beyond

      巻: - ページ: 257-273

    • DOI

      https://doi.org/10.3726/b14464

    • 査読あり / 国際共著
  • [学会発表] モバイル・ライブスが作る弱小言語のグローカルな世界―検索エンジン系自動翻訳のマルチ言語化を中心に2019

    • 著者名/発表者名
      寺尾智史
    • 学会等名
      第27回ひと・ことばフォーラム モビリティーズ―モバイル・ライブズが作る世界
  • [学会発表] 母語を第2習得言語で教えることの第2言語習得への効果―実践からの考察2019

    • 著者名/発表者名
      寺尾智史
    • 学会等名
      平成30年度シンポジウム「第二外国語学習の現状と課題」
  • [学会発表] 赤道ギニアの言語状況―ガバス『ヤシの木に降る雪』(2012) をたなごころに2018

    • 著者名/発表者名
      寺尾智史
    • 学会等名
      関西スペイン語学研究会 第415回例会
  • [学会発表] 携帯多言語双方向翻訳機における「多言語状況」の分析2018

    • 著者名/発表者名
      寺尾智史
    • 学会等名
      第16回国際都市言語学会年会
  • [学会発表] 非アングロ・サクソン系植民地におけるアングロ・サクソンの陰影―ギニア湾岸アフリカを中心に2018

    • 著者名/発表者名
      寺尾智史
    • 学会等名
      シンポジウム「アングロ・サクソン侵略の系譜」

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公開日: 2019-12-27  

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