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2019 年度 実施状況報告書

カタルーニャ独立問題に伴う言語多様性継承政策のパラダイムシフトに関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 18K12453
研究機関宮崎大学

研究代表者

寺尾 智史  宮崎大学, 多言語多文化教育研究センター, 准教授 (30457030)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード言語マイノリティ / 言語継承 / カタルーニャ / 少数言語 / 地域言語 / 赤道ギニア / 中南米
研究実績の概要

2019年度においては、本研究課題についての海外でのフィールドワーク(於・ミュンヘン、フィラッハ、クラーゲンフルト、リュブリャーナ、国境地域、すなわち周縁地域における言語使用とそれにともなう言語アイデンティティの動態調査)を実施したうえで、本課題に関する資料収集とその分析につとめた。少数言語継承政策の「パラダイムシフト」の震源地となっているカタルーニャでは、引き続き言語的アイデンティティをどのような政治的要求につなげるか、その論調は錯綜しており、多様な主張について、それぞれの論理展開とその域内、世界各地への波及を分析した。こうした分析を整理したうえで、『現代地政学事典』(丸善出版、2020年1月)の大項目「地域言語(地方語)とナショナリズム」(112-113ページ)として執筆し、公表した。この中で、カタルーニャと隣接、または近隣のスペイン国内諸地域において、それぞれの言語で「話しことば」を意味する「ファブラ」(アラゴン語の愛称的別称)、「バブレ」(アストゥリアス・レオン語の愛称的別称)等、カタルーニャのような強烈な言語ナショナリズムの表出をすることなく、地道に言語を継承し、言語アイデンティティを涵養する方向性を掲げる特徴を持っていることを分析、解説した。また、刊行は2020年度(2020年5月)となったが、主に年度内に執筆したものとして、坂井一成・八十田博人 編著『よくわかるEU政治』(ミネルヴァ書房)の大項目「言語」および「少数言語、少数民族」(90-93ページ)を記した。この中で、EU域内をはじめとするヨーロッパにおける少数言語保全運動がヨーロッパ域外に波及していることに言及した。上記項目では、紙幅の関係で、主として「正」の影響を述べるにとどめたが、「負」の影響に関しても、ここまでの研究成果を生かしつつ、言及してゆきたい。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

19年度末に本研究課題についての第二次海外フィールドワークを予定していたが、新型コロナウイルス感染症の流行により、渡航計画を断念したため。

今後の研究の推進方策

新型コロナウイルス感染症の推移次第もあるが、できる限り早い機会に本研究の第二次海外フィールドワークを行い、現地でのインタビュー、資料収集をしたうえで、本分野にかかわる研究書を完成させる。

次年度使用額が生じた理由

年度末の新型コロナウイルス感染症流行による19年度年度末の研究進捗の停滞による
。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 図書 (1件)

  • [図書] 現代地政学事典2020

    • 著者名/発表者名
      『現代地政学事典』編集委員会
    • 総ページ数
      888
    • 出版者
      丸善出版
    • ISBN
      978-4621304631

URL: 

公開日: 2021-01-27  

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