研究課題/領域番号 |
18K12462
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研究機関 | 津田塾大学 |
研究代表者 |
白土 厚子 津田塾大学, 言語文化研究所, 研究員 (90782748)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 英語 / 第二言語習得 / 初等英語教育 |
研究実績の概要 |
平成30年(2018年)度は、まず5,6年生の新共通教材(We Can!)の言語材料と学習内容を分析・研究した。特に、移行期のため既習事項として扱われている未習項目を洗い出し、指導方法を各学年の担任教師らと協議し、授業実践を通してさらなる改善を図った。 また第一次調査として、We Can!の研究を基に学期毎にWe Can!のUnitを3~4組み合わせ、児童の興味・関心や学校行事、他教科の学びを生かした年間のプロジェクト重視の英語学習プランを作成し、その後各学年の担任教師らと検討し修正を加えた。平成30年度は、実践校の5,6年生の年間の授業数は70時間で、その内約3分の2は担任教師と研究代表者、あるいは担任教師とALTのTeam Teachingで、それ以外は担任教師が作成したプロジェクト重視の英語学習プランを実践した。 よって、各学年で年間を通して3つのプロジェクト重視の英語学習を行い、プロジェクト毎に作成した「英語学習アンケート」「Can-Do自己評価アンケート」「アルファベットクイズ」、さらに児童と担任教師に自由記述アンケートを実施し、これらのデータの量的・質的分析を行った。研究代表者以外に同専門領域の2名の研究者(協力者)らにも、実践とこれらの収集したデータ分析結果の妥当性と信頼性の検証を依頼し、平成30年度の実践についての評価と平成31年(2019年)度実施について助言を得た。その結果、データ収集に関しては、さらに「聞くことクイズ(リスニングテスト)」「口頭発表評価(パフォーマンス評価)」を加えることとし、第2次調査(本調査)に向けた最終準備を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成30年度の第一次調査では、当初予定していた1,2学期だけでなく、3学期も加えた学期毎のプロジェクト重視の英語学習プランを作成し、年間を通して担任教師らと協働で実践することができた。またその間、実践を検証するための3種類(「英語学習アンケート」「Can-Do自己評価アンケート」「アルファベットクイズ」)のデータをプロジェクト毎に収集し、量的分析を行ったほか、児童と担任教師から自由記述アンケートを収集し質的分析も行った。その後、同専門領域の研究者(協力者)らによる分析結果の妥当性と信頼性の検証を行った。その結果、同研究者らから平成30年度の評価に加え、さらに平成31年(2019年)度への助言を得て、実践したプランや分析方法に修正を加え、第二次調査(本調査)への準備を整えることができた。 よって、平成30年度予定していた研究計画は、おおむね順調に進展していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
平成31年(2019年)度は、第二次調査(本調査)を実施する。第一次調査で検証し、修正した学期毎のプロジェクト重視の英語学習プランを担任教師らと協働で5,6年生に実施し、その間児童の4技能の変化や4技能への意欲や自信を調べるため、「英語学習アンケート」「Can-Do自己評価アンケート」「アルファベットクイズ」に加え、「聞くことクイズ(リスニングテスト)」や「口頭発表評価(パフォーマンス評価)」を実施する。さらに、第一次調査同様、児童と担任教師に自由記述アンケートを実施し、収集したこれらのデータは量的・質的に分析を行う。得られた結果を基に、移行期の共通教材We Can!を使用したプロジェクト重視の英語学習が4技能統合によるコミュニケーションの基礎育成にどのような影響を与えたかを考察し、その成果を学会等で発表する。また、本研究で得られた知見をワークショップや報告書等で還元する。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成30年度はProject-Based Approach やReading and writing of EFL learners等関連図書の購入が少なく、共通教材We Can!のデジタル教材を活用したためプリンターの使用が抑えられ、プリンターインク代が当初の見積もりより少なかった。平成31年度は、研究報告書にこの研究経費を活用し、研究成果の還元の充実を図る
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