研究実績の概要 |
令和元年度は、第二次調査(本調査)を5, 6年生で1, 2学期に実施し、合計4つのプロジェクト重視の英語学習プランを実践した。本調査では、平成30年度の第一次調査で検証し修正を加えた、共通教材We Can!を使った学期毎のプランと、本研究の効果を調べるため、①英語学習アンケート、②Can-Do自己評価アンケート、③アルファベットクイズ、④児童自由記述アンケート、⑤担任自由記述アンケートを用いた。さらに、研究協力者からの助言を得て本調査では、⑥聞くことクイズ(リスニングテスト)と⑦個別インタビュー(パフォーマンステスト)を加えた。これにより、アルファベットクイズによる文字認識の評価に加え、聞く力や話す力(やり取り)の言語的評価の手立てが可能となった。 得られた結果を言語的・情意的両面から分析すると、①、②、③、⑥、⑦の量的分析から4技能に対する参加児童の意欲・関心や自信と知識・技能への肯定的影響が期待できることが分かった。また、④と⑤の質的分析から、児童の「満足感」や「達成感」そして「学習意欲の高まり」「コミュニケーションの道具としての英語」の意識が読み取れ、本研究を支える理論、Project-Based Approachの特徴を生かした実践であることが支持された。 特に聞くことクイズと個別インタビューは、「意味のある文脈でのコミュニケーション」を重視し、児童の「知識・技能」を活用して目の前の課題を解決するために必要な「思考力・判断力・表現力」の評価につながる。よって、We Can!を使用したプロジェクト重視の英語学習が4技能統合によるコミュニケーションの基礎育成に効果的である可能性が高いという結論に達した。この成果を学会等で発表しただけでなく、実践したプロジェクト重視の英語学習プランを報告書にまとめた。今後も、報告書等を用いて得られた知見を還元していく予定である。
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