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2023 年度 実施状況報告書

英文読解における心的表象構築と変化:情報想起が記憶の強化と忘却に及ぼす影響

研究課題

研究課題/領域番号 18K12463
研究機関東京経済大学

研究代表者

中川 知佳子  東京経済大学, 全学共通教育センター, 准教授 (70580869)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2025-03-31
キーワード第二言語 / 学習背景 / 動機づけ / 文化理解
研究実績の概要

本研究課題は、読み手に起因する要因(語彙知識や背景知識、熟達度など)と、テキストに起因する要因(情報の重要性や因果関係など)が、心的表象の構築に対して影響を及ぼしていることを前提として、課題自体が持つ (1) 心的表象の構築への影響や、(2) 心的表象の経時的変化に対する影響の解明を目指すものである。2023年度には第二言語理解に関する以下の検証を行った:(1) 読み手に起因する要因の再検証1(学習背景および動機付け)、(2)読み手に起因する要因の再検証2(文化的理解に関するインタビュー調査)である。
読み手に起因する要因の再検証1として、学習経験・学習開始時における動機付け・学習経過後の動機づけについて質問紙を用いた調査を行った。調査協力者は日本の大学で学ぶ留学生であった。(1) 日本語学習初期の動機づけアンケート(自由記述式)、(2) 留学中の動機づけ質問紙である。質問紙は「ポップカルチャー興味」「交流志向」「言語学習興味」「成績志向」「キャリア志向」「文化理解志向」を問う項目から構成されており、この6因子を用いて、学習初期と留学中における動機づけの変化を検証した。その結果、学習初期にはポップカルチャーに対する関心を強く持っていた学習者であっても、学習を継続する中で文化的要素に対して関心を持つようになることが明らかとなった。
また、読み手に起因する要因の再検証2として対面でのインタビュー調査(半構造化インタビュー)を実施し、文化理解に関して検証した。その結果、学習者は伝統的な文化と考えられるものではなく、日常生活における文化的差異(ソーシャルメディアの使い方や電車の乗り方など)に注目することが分かった。
これらの研究結果によって、学習者が文章を読む際に登場人物の行動が読み手自身の行動規範と異なる場合に、より意識的な注意が生じ、心的表象の構築に影響する可能性が示された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の計画から大幅に遅れていたものの、コロナ禍後にデータ収集が可能となり、データが概ねそろったところである。現時点においては数値的データの分析を終え、インタビュー調査結果の文字起こしの結果を精査しているところである。この研究結果の公開に向けて準備を進めており、概ね順調に進んでいると考える。

今後の研究の推進方策

2024年度が最終年度となるため、研究成果の公開を中心に進めていく。特に、国外の第二言語習得に関連する学会において研究成果の報告を行い、フィードバックを得る予定である。

次年度使用額が生じた理由

2023年度に研究データ収集および分析を行った。インタビューの文字起こしに時間を要し、2023年度中に全ての分析を終えることができなかった。そのため、研究成果の報告予定が2024年度に延期された。

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公開日: 2024-12-25  

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