研究課題/領域番号 |
18K12464
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
浅利 庸子 早稲田大学, 商学学術院, 専任講師 (70631331)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 定型表現 / 慣用句 / 流暢さ |
研究実績の概要 |
本研究は、慣用句や定型的言語表現の習得及び使用がどのように英語非母語話者(NNS)の流暢さに関係しているかを調べるものである。2020年度までの研究から分かったことは、lexical phrase(定型的言語表現の種類)を幅広く使うNNSは、母語話者(NS)から流暢にみられるということである。2021年度はNNSが明示的指導を受けることによってどの程度lexical phrasesを習得できるかを調べた。研究手法としては、12名のNNSに週一回A4一枚程度の英文を読ませて、その内容を各自で取ったメモをもとに2分間以内で要約(口語)してもらった。要約はデータとしてすべて録音をした。さらに、lexical phrasesを使用することによってどのようにより流暢な発話ができるようになるかの指導を毎回実施した。これを5回(計5週間)実施した。すべての録音データをNS(n = 5)にどれだけ流暢に聞こえるかについて5段階スケールを用いて評価してもらった。 結果としては、第1回目から第5回目までの評価の伸びたもののその伸びは有意的ではなかった。Lexical phrasesの使用傾向をみると、NNSは平均的に第4回目に最も多くの種類のlexical phrasesを使用していた。しかし、第4回目に使用されていたlexical phrasesの種類の多さは流暢さの評価結果と相関がなかった。このことからどれだけ多くの種類のlexical phrasesを使用するかよりは、「どのような」lexical phrasesを使用するかの方が重要であることがわかった。この点に着目して今後はより質的な研究を進める必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度も新型コロナウイルス感染拡大の影響で、必要なデータ数を確保することができなかった。現在のデータは上級者に限られているため、中級者のデータを2022年度の前半に収集する予定である。研究のデザインは決まっており、被験者もそろっているため、いただいた延長期限内に研究を終わらせることは可能です。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度の前半はデータ収集とデータ分析を行う。中級レベルの英語学習者30名、上級者15名程度のデータを収集する予定である(6月末まで)。そのあと、これまで依頼していた同じ評価者にデータを評価してもらう(7月末まで)。2022年度の後半は研究結果を学会で発表し、さらに論文としてまとめる予定です。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染拡大の影響で、予定していた研究発表がいくつかキャンセルまたはオンラインに変更されたため、学会参加費及び旅費などの支出の必要がなくなった。またデータ収集が終わらなかったため、謝金など研究のためにかかる支出の必要が予定よりも少なくなった。
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