本研究は、次の3課題の解決を目指した:①外国語(FL)の読解における不安(読解不安)の測定に使用される主要な心理尺度は,研究目的ごとに使い分ける必要があるのか? ②テスト状況で発生する不安と読解不安は,同じ心理状態と考えて良いのか? ③どのような要因が,FL読解テストで生じる不安を高める,または抑制するのか? 日本語を母語とする大学生英語学習者計から得たデータの分析から,次の3点が明らかとなった:①既存の読解不安尺度は,研究目的ごとに使い分ける必要がある,②読解不安とテスト不安は,異なる心理状態である,③4つの要因が,FL読解テストで生じる不安を高める,または抑制する可能性がある。
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