研究課題
若手研究
本研究の成果を簡潔に述べると、英語教育の社会科学的・政策科学的アプローチを日本の文脈に即しながら理論化・体系化したことである。具体的には、(1) 英語圏の批判的応用言語学を足がかりとした重要概念の理論的整理、(2) 日本の英語教育政策の理論化およびそれに基づく実証研究、(3) 日本の英語教育研究のあり方に関する理論的・実証的検討、そして、(4) 日本社会における英語使用・英語観の位置づけの解明である。
言語社会学
本研究を通して、日本の英語教育を社会科学・政策科学的に検討する基盤の一部が構築できた。とりわけ、批判的応用言語学概念、エビデンス概念、政策分析に関する概念について、英語教育研究との接点を体系化できたことにより、今後の研究の準拠点となり得ることができた。また、日本社会の英語をめぐる状況を実証的に明らかにできたことも、上記の理論的概念を日本の文脈に適切に移植するのに役立つだろう。英語教育は社会的にも重要な課題であり、本研究は、学術的貢献だけでなく、政策形成や社会批評の面でも貢献できると考えられる。