この研究の学術的意義は、明示的文法指導が学習者の偶発的言語習得に寄与するのか妨げとなるのかを検証することにある。明示的言語知識と暗示的言語知識の関係については、広く議論されてきたが、教室の中での偶発的言語習得の研究は驚くほど少ない。 社会的意義としては、教室での英語指導の中で、教えられたこと以外の言語項目に自然に触れることでその学習が起きるのかどうかという重要な示唆を持つ。明示的な学習により意図的に学習する時間・能力には限りがあり、英語によるコミュニケーション能力を伸ばすためには偶発的な学習に頼らざるを得ない。偶発学習は、多読やタスク活動に使用など、様々な英語教育活動に応用されている。
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