Developing Form-Focused Pronunciation instruction towards Comprehensible Speech in L2 Learners: A Structural Equation Modelling Study

2021 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 18K12482
• 研究種目: 若手研究
• 配分区分: 基金
• 審査区分: 小区分02100:外国語教育関連
• 研究機関: 鶴岡工業高等専門学校
• 研究代表者: 阿部 秀樹 鶴岡工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (20300527)
• 研究期間 (年度): 2018-04-01 – 2022-03-31
• キーワード: 発音学習ストラテジー / 動機 / 発音の分りやすさ

研究成果の概要

本研究は、学習者要因（学習ストラテジーと学習動機）と学習者の発音能力との因果関係モデルの構築を試みたものである。およそ100名の学習者（CEFR初級レベル）の発音能力、特に「わかりやすさ(comprehensibility)」、発音学習ストラテジー（PLS）と学習動機を構造方程式モデルによって分析すると、発音能力に直接影響を与える要素はPLSであり、学習動機は発音能力に直接影響を与えるのではなく、PLSを仲介した間接効果が大きいことがデータより明らかになった。これは教室における発音指導への重要な知見となり得る。

自由記述の分野

英語音声学、第二言語習得

研究成果の学術的意義や社会的意義

従来の研究では、相関分析や重回帰分析を通して学習者発音と学習ストラテジー、一方で学習者発音と学習動機の関係の強さから発音能力を予測する研究手法がとられていたが、これは因果関係を予測するには十分ではなかった。そのような背景から、本研究の示した構造方程式モデルによる三要因の構造的関係が解明されたことは、外国語発音研究における一定の進展であると思われる。参加者が初級レベルの学習者であることなど限定的な点はあるものの、この研究が示した学習者への音声に対する認知的及びメタ認知的要因、及び学習動機の解明は、学習指導法の改善に向けた基礎研究といえる。