| 研究課題/領域番号 |
18K12488
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| 研究機関 | 金沢大学 |
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研究代表者 |
吉永 匡史 金沢大学, 歴史言語文化学系, 准教授 (20705298)
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| 研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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| キーワード | 律令 / 賤民 / 奴婢 / 奴隷 / 古代日本 / 唐 |
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| 研究実績の概要 |
本研究課題は、「古代日本と中国唐・北宋王朝において、賤民制がいかなる特色をもち、“奴隷”身分がどのように発生・変容したのか」という問題関心のもと、古代日本と中国唐・宋王朝における賤民制の法的構造と実態を、国家的身分と社会経済の両側面から解明することを目的とする。そして両者の比較検討によって差違と共通性を指摘し、その歴史的意味を明らかにすることを最終目標とするものである。
当該年度は研究計画に従い、これまで積み重ねてきた研究成果をふまえて、古代日本と唐・宋王朝の比較研究を行った。あわせて前年度より継続して、『唐令拾遺』や『唐令拾遺補』で復原された唐令の賤人関係条文の再検討、および復原根拠史料の史料学的研究を実施した。日唐宋の賤民制に関する比較研究の論文執筆を進め、次年度中に公表予定である。また、唐代良賤制研究を牽引してきた山根清志氏の著書刊行をうけ、当該著作の書評を執筆・公表し、本研究課題の研究成果もこれに反映させた（「書評 山根清志著『唐王朝の身分制支配と「百姓」』」『唐代史研究』24号、2021年）。このほか史料調査の成果として、論文「『本朝法家文書目録』写本系統試論」を公表した。本論文の基礎部分は東京大学史料編纂所の研究費の成果に基づくが、研究期間終了後は本科研費をもって史料調査を継続し、当該年度の公表に至ったものである。
調査については、唐令復原根拠史料の史料学的検討（上記の『本朝法家文書目録』の写本調査など）を行ったほか、当該研究の推進に必要な史料調査・資料収集を東京都・京都府・奈良県で実施した。当初の研究計画では中華人民共和国において史料・史跡調査を実施する予定であったが、コロナ禍の影響をうけて本年も断念し、日本国内での史料調査を推進した。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在成稿中の学術論文については、次年度以降に公表できる見通しが立っており、史料調査・史跡調査も継続的に実施した。コロナ禍の影響で海外史料調査を行えないことは残念であるが、おおむね順調に進展していると評価できる。
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| 今後の研究の推進方策 |
コロナ禍の影響は引き続き甚大であるが、中華人民共和国における史料調査の可能性を探り、かつ本研究課題の研究をさらに深めるため、令和4年度まで研究期間を延長して推進することとした。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
中華人民共和国における史料調査の可能性を探り、かつ本研究課題の研究をさらに深めるため、令和4年度まで研究期間を延長して推進することとした。支出は調査旅費および書籍購入費に充てる予定である。
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