研究課題/領域番号 |
18K12490
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研究機関 | 亜細亜大学 |
研究代表者 |
今野 裕子 亜細亜大学, 国際関係学部, 講師 (10707623)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 移民史 / 法制史 / アメリカ史 / カナダ史 / トランスナショナル・ヒストリー / アジア系移民 / 漁業権 / 北米漁業史 |
研究実績の概要 |
本研究は、19世紀後半から20世紀前半のアメリカ合衆国(以下アメリカ)やカナダで繰り広げられたアジア系漁民排斥の政治を、北米法文化圏における漁業権解釈や漁業行政の史的展開との関連において把捉し直すことを目的とし、「公民」の権利である漁業権が人種や市民権に基づいて制限される過程を、公文書や外交史料等を用いて包括的に検証・再構築することを目的としている。 上記の目的を考慮し、本研究は海外のアーカイブにおける調査を念頭に置いた計画を組んでいたが、感染症の影響によって大きな軌道修正を迫られることとなった。2021年度においては、オンラインデータベースや二次文献を使用した調査や分析を主に行うとともに、限定的ではあるが国内のアーカイブ(外務省外交史料館)で史料収集を行った。また、ヒストリオグラフィー(先行研究調査)のまとめも前年度から引き続き行い、ボーダーランド研究や先住民研究より多くの知見や新たな視点を得ることができた。 主な研究実績としては、他の科研費のグループ研究と連動した出版企画を挙げることができる。上智大学出版より論文集『「法-文化圏」とアメリカ―20世紀トランスナショナル・ヒストリーの新視角』を上梓した。本書所収の論文のみならず、序論の執筆も行ったほか、プロジェクト全体の統括にも関わった。本書の出版は主にグループ研究の成果ではあるものの、その研究内容は本研究と重複する部分も大きく、特に二次文献の収集や分析にあたっては、双方の研究を補強し合う形となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
感染症の状況が改善しなかったため、海外渡航を控えた。このため、当初計画していた史料調査を行うことができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
引き続きオンライン資料と二次文献を活用し、先行研究の整理を行う。国内アーカイブ調査も続ける。また、感染症の状況次第では、短期の海外渡航も視野に入れ、準備を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
海外調査を中止しているため、次年度使用額が生じている。今後は二次文献の収集・分析や国内アーカイブでの調査を行うとともに、感染症の状況次第では、年度後半に海外渡航を行うことも検討している。
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