近世の庄屋文書について、日記本文のテキスト化、大規模文書の目録の再整理により、情報の構造を分析した。肥後国高浜村の庄屋上田家文書は、3か所に分散し、未整理の天草ロザリオ館所蔵文書の目録化を実施、上田家資料館所蔵文書と内容比較を行った。また上田家資料館所蔵文書の中で上田宜珍庄屋期(1789-1818)を対象に文書の一括状況を中心に再調査を行なった。その結果、①近世後期における、高浜村の村民、孝子褒賞の過程と行状編纂、文書群の形成過程、②文化15年(1818)における日記と御用書留帳、出勤録に記される内容・文書写を分析し、庄屋が収集した情報の大系の実態を明らかにした。
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