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2022 年度 研究成果報告書

分野横断的な中世仏教文献の研究―南北朝期の新史料『梅林折花集』を中心に―

研究課題

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研究課題/領域番号 18K12511
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分03020:日本史関連
研究機関明星大学

研究代表者

芳澤 元  明星大学, 人文学部, 准教授 (60795441)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2023-03-31
キーワード南北朝時代 / 中世仏教 / 寺院聖教 / 災害史 / 感染症 / 説話文学 / 寺社縁起 / 明恵
研究成果の概要

1360年代に醍醐寺僧が高山寺僧との対談内容を聞書した新出史料『梅林折花集』について、本研究は二つの研究手法をとった。第一に、本書の全文を翻刻し、著者である賢西や対談相手の慈英の出自を解明した。第二に、南北朝内乱や災害がはびこる社会状況のなかで宗教勢力が新たな動向を示すことに注目し、14世紀の時代像を究明した。とくに、13世紀に明恵の弟子が整備した高山寺聖教が、14世紀に躍動する禅僧や顕密僧らに相承され、室町時代の仏教が鎌倉時代の宗教的遺産の継承の上に成立した側面を指摘した。中世宗教の通史叙述に資する成果になったといえる。

自由記述の分野

日本中世史

研究成果の学術的意義や社会的意義

第一に、研究期間の前半に、説話文学会で本書に関するシンポジウムを企画・開催し、歴史学と国文学のあいだで分野横断的な研究成果や研究論点の共有を実現させることができた。第二に、本書に収録された醍醐寺僧と高山寺僧が対談した内容は、真言密教や華厳学、禅学など中世仏教学に関する知見が豊富であるから、国宝である醍醐寺聖教と高山寺聖教の世界とを有機的に結びつけることを可能にし、文化財と文化財をつなぐ歴史的な視点を提示する学術的意義をもっている。第三に、麻疹など感染症の流行や、現代社会でも悩みの種である南海大地震のような自然災害に関する情報をも発信したことで、新聞報道でも紹介されて反響を呼ぶことになった。

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公開日: 2024-01-30  

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