研究課題/領域番号 |
18K12514
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研究機関 | 北九州工業高等専門学校 |
研究代表者 |
大熊 智之 北九州工業高等専門学校, 生産デザイン工学科, 准教授 (10804544)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 日本力行会 / 高等商業学校 / 「移民者」像 / 移植民教育 |
研究実績の概要 |
4年目となる当該年度は、昨年度から引き続いて日本力行会の「移民者」像に関して調査・分析を深めるとともに、高等商業学校について昨年度までに調査・収集した資料をもとに基礎的な分析を進めた。 第一に、近代日本の代表的な移植民奨励団体である日本力行会の「移民者」像に関して日本力行会の機関誌および永田の著書を中心に調査し、昨年度取り組んだ第二代会長永田稠の移植民奨励論の分析を深め、それと日本力行会による移植民送出の実態との関連について検討を加えた。その結果、日本力行会が設立した各種の教育機関、ブラジルにおける移住地建設、満州移民への態度などとの関連についてある程度把握することができた。 第二に、高等商業学校に関する調査である。1929年、文部省によって長崎・山口・横浜の各高等商業学校に、それぞれ南洋向け・中国大陸向け・南米向けの貿易別科が設置された。これらは、移植民者および貿易従事者の養成を行うものであった。後身である長崎大学、山口大学、横浜国立大学の同窓会関係の資料や学校一覧、関連する地域の雑誌・新聞などを収集し、それらの分析を行った。その結果、各校における学科設置の経緯、教育課程、学生生活の様子、および卒業後の進路等の一端を把握することができた。 しかし、新型コロナウイルスの流行によって、本年度に計画していた調査を十分に実施することができなかった。研究期間をさらに1年間延長し、次年度に調査・分析し研究を完成させる予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルスの流行により調査旅行が制限され、2年目に未実施だった調査を今年度も実施することできなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
研究期間をさらに1年間延長することとした。研究最終年となる次年度は、これまで実施できなかった横浜高等商業学校、長崎高等商業学校に関する資料調査を実施する。収集した資料を分析して山口高等商業学校と比較した上で、これまで明らかにした海外植民学校および日本力行会に関する知見と総合し研究を完成させる。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス流行等により、長崎・横浜における資料調査が実施できなかったため旅費および複写等にかかる支出が抑制されたことによる。次年度、十分な資料調査を行うために使用する。
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