近代日本の移植民者は国家や地域によって移動させられた受動的な存在として捉えられがちである。本研究は、近代日本の移植民者が移動する存在として自らをどのように認識していたのか検討することで彼らの主体的な側面を捉え直し、移民史・植民地史に貢献することを目指した。 そのために、移植民者養成の教育に着目し、そこで教えられた「移民者」像と、それを移民(志望)者がどのように受け入れ/反発しながら移動していったのかを検討した。具体的には、以下の二点に取り組んだ。(1)私立の移植民学校が養成を目指した「移民者」像と学生による受容。(2)官立の高等商業学校が養成を目指した「移民者」像と学生による受容。
|