本研究は、近年日本近代史研究の分野で活発化している旧藩社会研究を前進させるために、大名華族家などの下に集積したアーカイブズの分析を行うものである。旧藩社会とは、旧藩主(大名華族)・旧藩士(士族)・旧領民とその子孫による社会的結合のことをいう。廃藩置県によって政治・行政体としての藩は消滅したが、その結び付きは失われず、地域社会の近代化に大きな影響を及ぼしたことが先行研究によって知られている。しかしながら、研究資源となるアーカイブズの分析は行われてこなかった。そこで、本研究では旧佐倉藩主堀田家などに伝来したアーカイブズ資源研究を行い、目録を作成するとともにいくつかの論文などを発表することができた。
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