研究課題/領域番号 |
18K12532
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分03030:アジア史およびアフリカ史関連
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研究機関 | 京都大学 (2021-2022) 総合地球環境学研究所 (2018-2020) |
研究代表者 |
中尾 世治 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 助教 (80800820)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | リテラシー / 西アフリカ / ブルキナファソ / 言説的伝統 / アマドゥ・ハンパテ・バ / 『プレザンス・アフリケーヌ』 |
研究成果の概要 |
最も大きな研究成果は、著書1冊、査読付き学術誌の特集である。著書『西アフリカ内陸の近代』では、ブルキナファソのムフン川湾曲部における前近代から20世紀半ばまでの長期的な歴史的変動を明らかにし、リテラシーを植民地統治以前と以後の双方において考慮し、その政治・経済・宗教のそれぞれの側面での意義とそれらの関連について明らかにした。なお、本著作は日本アフリカ学会研究奨励賞を受賞した。また『年報人類学研究』で「西アフリカ・イスラーム研究の新展開」と題した特集を構成し、言説的伝統の概念を援用し、書記言語ごとに言説を構成する伝統が異なり、それらの差異によるブルキナファソの改革主義運動への影響を明らかにした。
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自由記述の分野 |
歴史人類学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ブルキナファソを含め、西アフリカ諸国の歴史研究は少ない。特に、植民地統治以前から独立までの長い時間幅での研究は、世界的にみても稀である。本研究には、まず第一に、西アフリカの歴史研究を進展させたという点での大きな意義がある。さらに、本研究では、リテラシーに着目し、植民地統治以前から続くアラビア語の利用と、植民地統治以降のフランス語の導入が、西アフリカのムスリム(イスラーム教徒)にとってどのような意味をもったのかを明らかにした。こうした研究は、旧宗主国の書記言語のみを対象としたリテラシーの向上をうたう開発援助の在り方を問い直すものとしての意義をもつ。
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