研究課題/領域番号 |
18K12535
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
左近 幸村 新潟大学, 人文社会科学系, 准教授 (30609011)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | ロシア史 / 海事史 / グローバルヒストリー / 帝国論 |
研究実績の概要 |
当初参加を予定していたInternational Council for Central and East European Studies World Congress 2020(コロナ禍のため1年延期になった後、2021年8月上旬にオンラインで開催)と第8回国際海域史学会(2020年6月~7月にポルトガルで開催予定だったが、コロナ禍のため2年延期)については、スケジュールの都合上、参加を断念せざるを得なかった。そのかわり、2019年12月に刊行した拙著『海のロシア史』(名古屋大学出版会)の一部を英語にした論文、"Sergei Witte and the Shipping Associations: Rethinking the Russian Empire from a Maritime Viewpoint"が掲載された論文集Changing Dynamics and Mechanisms of Maritime Asia in Comparative Perspectivesが、palgrave macmillan から刊行された。加えて、The Launch of the Volunteer Fleet: Late Imperial Russia and “Empire Route”というタイトルの英語論文を、Asian Review of World Historyに投稿した。こちらも順調にいけば、今年度中に刊行される見通しである。またグローバルヒストリーとの関連で、河崎信樹ほか『グローバル経済の歴史』(有斐閣、2020年)の書評が、『社会経済史学』87巻4号(2020年)に掲載された。 2021年度も海外渡航が困難であり、ロシアなど海外での文書館・図書館での調査は断念せざるをえなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2021年度もコロナ禍が収束しなかったうえ、年度末には、本研究課題にとって最も重要な地域であるウクライナにロシアが攻め込むということが起こってしまい、予定していたロシアの文書館・図書館での調査が困難となってしまった。加えて、ICCEESと国際海域史学会での報告も断念することになった。これらのことを考慮して、「4.遅れている」を選択した。 ただし、英語論文が1本刊行され、さらにもう1本英語論文を執筆して、英文雑誌に投稿したことを考えると、コロナ禍の中でも、一定の成果は出していると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度は、研究発表を国内外で行う。 まず5月1日には、社会経済史学会のパネル「海域アジア経済史研究の回顧と展望」で、本研究課題の観点から、討論者を務めた。6月25日には、九州歴史科学研究会で、帝政期のオデーサ(オデッサ)に関する報告を行うことを予定している。7月には、秋田茂氏(大阪大学)主催のグローバルヒストリー・セミナーで、10月にはAsian Association of World Historians で本研究課題に関する報告を行うことを予定している。また、時期は調整中ながら、早稲田大学の現代政治経済研究センターでの報告も予定している。これらの報告と質疑応答を踏まえ、年度の後半には論文を執筆して、活字化を目指したい。 ロシアでの史料収集は今年度も困難と思われるが、状況が許せば、年度末にヘルシンキかロンドンでの史料収集を行いたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍に加え、年度末には本研究の対象地域であるロシアとウクライナの間で戦争が始まってしまい、ロシアやウクライナの図書館・文書館に行って史料収集を行うことが、困難だったため。
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