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2018 年度 実施状況報告書

啓蒙専制期ハプスブルク君主国における知的公共圏の政治的機能の研究

研究課題

研究課題/領域番号 18K12539
研究機関獨協大学

研究代表者

上村 敏郎  獨協大学, 外国語学部, 准教授 (20624662)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワード印刷メディア / 啓蒙専制 / 検閲 / 社会的ネットワーク / 公共圏 / ウィーン / ハプスブルク君主国 / 警察
研究実績の概要

本研究は、啓蒙専制期ハプスブルク君主国における公共圏、特に権力と言論活動の関係を検討するために、過激な啓蒙思想の流通と関連する3つのコミュニケーション・ネットワーク、①出版ネットワーク、②秘密結社ネットワーク、③宗派ネットワークの関係性と構造を解明し、ハプスブルク君主国における言論活動が「文芸共和国」と言われるような仮想的な知のネットワーク空間にどのような形で関与していたかに留意しつつ、ハプスブルク君主国における啓蒙期知的公共圏が果たしていた政治的機能について検証することを目的としている。

2018年度は啓蒙専制期におこなわれた改革の影響下で広がった啓蒙思想を含む情報の流通過程を検証するために、主にオーストリアでの史料調査を重点的におこなった。

ウィーンのオーストリア国立文書館、帝室・宮廷・国家文書館(Haus- Hof- und Staatsarchiv)所蔵の機密文書および皇帝フランツ文書を重点的に調査した。特に1790年代の史料を中心に撮影した。また、オーストリア国立文書館、一般行政文書館所蔵の警察省文書についても調査したが、これについては、焼失したものも多く、1790年代から1800年代の記録については目録が未整理であることもあり、ごくわずかなものを撮影したにすぎない。インスブルック(オーストリア)にあるティロール州立文書館では、検閲文書について調査をおこなった。バーデン=ヴュルテンベルク州立文書館の本館シュトゥットガルト州立文書館、分館ジグマリンゲン州立文書館(ドイツ)でウィーンの出版者ヴーヘラーについての史料調査をおこなった。
ウィーンで開催された複数の学会に参加し、オーストリアの歴史学界の動向について知見を得た。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2018年度に目的としていたオーストリアでの史料調査を十分におこなうことができた。また、ウィーン大学のマルティン・ショイツ教授には、在外研究の受け入れ教員となってもらい、情報交換をする機会を得て、今後も継続的に相談ができる関係を築いたことも成果である。

今後の研究の推進方策

2019年度は引き続き史料調査をおこなうことに加えて、収集史料に基づいた研究成果をまとめ発表していきたいと考えている。

次年度使用額が生じた理由

2018年度は所属組織によってウィーンでの1年間の在外研究が認められたこともあり、旅費について、予定よりも少なくなった。ただし、ウィーンで購入した資料、書籍を日本へ郵送するための費用が別途かかるため、帰国日および会計年度を考慮して、2019年度に繰越した上で郵送費用に充当することとした。

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公開日: 2019-12-27  

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