研究課題/領域番号 |
18K12539
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分03040:ヨーロッパ史およびアメリカ史関連
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研究機関 | 獨協大学 |
研究代表者 |
上村 敏郎 獨協大学, 外国語学部, 教授 (20624662)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | ハプスブルク君主国 / 秘密結社 / 公共圏 / 出版メディア / 社会的ネットワーク |
研究成果の概要 |
コロナ禍の影響により、予定されていたすべての史料調査を実施することはできなかったが、収集した史料を分析し、その成果として5本の論文を発表した。また、2019年の国際18世紀学会をはじめ、合計5回の学会発表を行った。 啓蒙改革期における知的公共圏では、政府のメディア戦略も行われていたが、公共圏で流通していた啓蒙言説は医療分野にも一定の影響力を持っていた。また、民衆啓蒙やハプスブルク君主国に新たに編入されたガリツィアにおける啓蒙においても、これらの言説は一定の効果を持っていたと考えられる。さらに、秘密結社のネットワークがこうした言論活動の背後に存在していたと推定することができた。
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自由記述の分野 |
西洋史
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、啓蒙専制期のハプスブルク君主国における権力と言論活動の関係を明らかにすることを目指したものである。具体的には、ハプスブルク君主国の言論活動がドイツ語圏全体の知のネットワークにどのように接続し、政治的役割を果たしていたかを検証した。無神論などの過激な啓蒙思想が出版ネットワークや秘密結社、宗派ネットワークを通じて広がり、政府がそれを取り締まろうとする動きを明らかにした。本研究の成果は、現代のメディアと権力、検閲に関する課題を考える上でも重要である。
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