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2018 年度 実施状況報告書

15世紀西地中海海域世界のなかのナスル朝社会:陸と海の資史料統合研究

研究課題

研究課題/領域番号 18K12542
研究機関神奈川大学

研究代表者

黒田 祐我  神奈川大学, 外国語学部, 准教授 (50581823)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワード地中海交流史 / スペイン / カスティーリャ / バルセローナ / マグリブ / グラナダ
研究実績の概要

本研究の初年度に該当する2018年度においては、主として以下の三点にわたる方向で、研究に取り組んだ。
1)中世後期(15世紀)におけるカスティーリャ王国とナスル朝グラナダ王国との「陸の境域」における史料調査と資料整理を実施した。先に実施していた若手研究B(課題番号15K16861)において既に収集していた境域都市ヘレス・デ・ラ・フロンテーラの古文書館史料に加えて、王立グラナダ高等法院(Archivo de la Real Chancilleria de Granada)に所蔵されている16世紀の土地係争文書を確認して(n.454‐1)、その内容を整理した。これらの史料は、陸路で異教徒勢力同士が、どのような関係を日常的に取り結んでいたのかを、極めてリアルなかたちで明らかにしてくれており、今後の自身の研究で活用されることになろう。
2)中世盛期西地中海圏におけるアラゴン連合王国とマグリブ・アンダルスとの関係の分析を行った。バルセローナのアラゴン王立古文書館(Archivo de la Corona de Aragon)で、国家間関係(外交文書など)を明らかにしてくれる史料の残存状況を確認しながら、11世紀から13世紀に至るまでのアラゴン連合王国とマグリブ・アンダルス領域との間の交渉の全体像に関する情報を収集した。
3)中世後期アラゴン連合王国社会の特徴の分析を行った。最新の研究文献と刊行史料を入手しながら、中世後期における西地中海圏の主役のひとりとなっていく、アラゴン連合王国の政治と社会の実態の把握に努めた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

上述の【研究実績の概要】における1)については、その成果を部分的に提出することができた。2)と3)については、成果の公表には至っていないものの、史料の残存状況と研究状況の整理を行うことができた。

今後の研究の推進方策

上述の【研究実績の概要】における1)に関しては引き続き成果の公表を目指す。
2)に関しては、さらに史料を収集しながら、中世後期におけるアラゴン連合王国の西地中海圏における活動の全体像をつかむことを目指す。
3)に関しても、さらに最新の文献を入手しながら、アラゴン連合王国社会の特質について分析する。
これに加えて、西地中海圏で活躍したイタリア商人に関する動向についても、調査を開始する。

次年度使用額が生じた理由

当初、本研究費で購入を予定していた研究文献を、別の予算で一括して購入することができたため、未使用額が生じた。この額は、次年度、不足することが想定される夏期に実施される調査旅費と、文献購入代に充てる予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2019

すべて 図書 (2件)

  • [図書] Beyond the Seas: A Medievalists' Meeting in Tokyo2019

    • 著者名/発表者名
      DIANA ARAUZ MERCADO, CECILIA BAHR, MIEKO KEZUKA, JUNKO KUME, YUGA KURODA, MARTIN F. RIOS SALOMA, GERARDO RODRIGUEZ, FLOCEL SABATE, SARA SATOH, MARIANA ZAPATERO
    • 総ページ数
      140 (67-82)
    • 出版者
      Tokyo University of Foreign Studies-Institute for Global Area Studies
    • ISBN
      978-4-909866-00-4
  • [図書] 中近世地中海史の発展的研究 : グローバルな時代環境での広域的交流と全体構造 : 科学研究費成果報告書2019

    • 著者名/発表者名
      飯田巳貴, 西村道也, 宮崎和夫, 黒田祐我, 櫻井康人, 堀井優, 佐藤健太郎, 高田良太, 澤井一彰
    • 総ページ数
      158 (8-14)
    • 出版者
      リョーワ印刷(東京)

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公開日: 2019-12-27  

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