研究課題/領域番号 |
18K12547
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研究機関 | 高知工業高等専門学校 |
研究代表者 |
松浦 真衣子 高知工業高等専門学校, ソーシャルデザイン工学科, 准教授 (40737235)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | ギリシャのマイノリティ |
研究実績の概要 |
本年度は体調不良や新型コロナ感染症拡大の影響で、海外で史料収集を行うことができなかった。そのため、これまで収集した文献の整理や分析を中心に研究を行った。主に行った研究内容は以下2つである。第一に、現在のギリシャ国民の1.5%にあたるカトリック住民の経済活動や政治的状況をまとめた。第二に、ギリシャの国民国家誕生において、言語的・宗教的マイノリティがいかに生み出され、現在はどのような状況にあるかをまとめた。 第一については、前年度に入手した先行研究を熟読した。その中で、カトリック住民の状況が、ギリシャ国家誕生後、西洋列強との関係の中で絶えず変化していく様を概観した。 第二については別科研で主題となっている言語的少数者のヴラーフの現状を中心に、ギリシャのマイノリティ政策とそれに対応するマイノリティ自身の生き残り戦略を明らかにした。その成果を以下の研究会で発表した。 2019年9月22日「ヴラーフからみるギリシャのマイノリティ問題」専門研究者会議『欧州学フォーラム2019―ヨーロッパのマイノリティとマジョリティ―』 2019年10月2日「ギリシャの言語的少数者ヴラーフから見る『民族』」 『シーズ・研究内容紹介』、高知県 産学官民連携センター ココプラ主催 今後は、ギリシャにおける宗教的マイノリティ/言語的マイノリティが生み出される経緯の違いを考察し、キクラデス諸島で生活するカトリック・マイノリティがいかに生み出され、その存在がギリシャの島々にどのように影響を与えたかを分析していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は研究者本人の体調不良や、新型コロナ感染症拡大の影響で、海外で情報収集を行うことができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
今後はキクラデス諸島の地域社会における、カトリック住民の経済活動の変化に注目して研究を進めていく。カトリック住民は現在のギリシャ国家の全人口の約1.5%を占める。しかし、過去8世紀にわたり、東地中海で正教徒とともに経済活動を営んできた。彼らがギリシャ国民国家形成時にマイノリティとなっていく経緯を明らかにし、ギリシャ国民国家形成時の宗教的アイデンティの変化を考察していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度は現地調査を計画していたが、体調不良や新型コロナ感染症拡大の影響でギリシャに渡航できなかった。
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