• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2023 年度 実績報告書

キクラデス諸島の社会的ネットワーク再編による国民国家建設

研究課題

研究課題/領域番号 18K12547
研究機関高知工業高等専門学校

研究代表者

松浦 真衣子  高知工業高等専門学校, ソーシャルデザイン工学科, 准教授 (40737235)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2024-03-31
キーワードギリシア海運 / グローバルネットワーク
研究実績の概要

本年度はギリシアのキクラデス諸島の海運に関するこれまで集めた情報をまとめ、より詳細なミクロヒストリーを構築するために、現地に訪問して聞き取り調査を行った。
まずは、高知高専学術紀要第69号(2024年3月)に論文を発表し、1990年代よりポストコロニアルの影響を受けながら発展してきたギリシア海事史の現状をまとめ、報告した。物流や人的ネットワークという面に着目すると、これまで西欧中心だった19世紀から20世紀の海事史の主体は、ギリシアの島民出身者であることが近年の研究で明らかになっている。クレタ島にある地中海研究所(IMS)の海事史センターでは、地縁・血縁にもとづくギリシア島民のグローバルネットワークを解明するために、若手研究者たちがチームを組み、豊富な史料をもとに、数量的なギリシア海運の分析を進めている。
本研究で焦点を当てているキクラデス諸島も、ギリシア海運の揺籃の地の一つであり、特にアンドロス島は船主、船長、船員、さまざまな海運の階層を生み出す島だった。19世紀後半にドナウ川の穀物貿易で成功したエンビリコス家は出身地のアンドロス島民をビジネスに採用した。陸地から隔離された船内では、船員の社会集団のメンバーだけが共有する特殊な言語や文化、航海術のメンタリティが発展した。このような人的なつながりは経済危機を乗り越える原動力なり、世界有数の海運ネットワークを創りあげた。
これらの概要を論文でまとめた後、2024年3月に実際にアンドロス島に訪問し、船長を輩出した家族の子孫にインタビューを行った。カイリス図書館の協力を得て、これまで発刊されている船舶や教育に関する史料集を入手した。これら、入手した情報を今年度中に論文にまとめて発表する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2024

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] グローバル・ヒストリーにおけるギリシア海事史研究の発展2024

    • 著者名/発表者名
      松浦真衣子
    • 雑誌名

      高知高専学術紀要第69号

      巻: 69 ページ: 29-39

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi