本研究では、中国遼寧地域における漢代墳墓の内部構造と主たる副葬品である陶製明器(副葬用土器)に関して、その変遷過程と特質を明らかにすることを目的に、以下の三つの調査を実施した。調査①:現在までに報告されている墳墓に関するデータの集成と考察。調査②:20世紀前半期に発掘された東京大学文学部考古学研究室所蔵の遼陽周辺漢代墳墓出土資料の整理調査。調査③:前記の東京大学所蔵資料との比較検討のための国内外機関が所蔵する関連資料の実見調査。以上の調査を実施することによって、遼寧地域における漢代墳墓の実態を把握することができた。
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