研究課題/領域番号 |
18K12552
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
河江 肖剰 名古屋大学, 高等研究院, 准教授 (00726987)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | エジプト考古学 / ギザ台地 / 古王国時代 / ピラミッド / スフィンクス / 3D計測 / SFM |
研究実績の概要 |
本年度は、エジプトの古王国時代の巨石建造プロジェクトの新しいデータとして、ギザに位置する第4王朝時代のカフラー王(紀元前2472-2448年頃)のピラミッド複合体に組み込まれたスフィンクスならびにスフィンクス神殿の3D計測調査行った。機材は、地上設置型の3Dレーザー・スキャナ(FARO Focus3D X330)、ならびにアクション・カメラGoPro5, 6, 7と、LUMICA Bi Rod 6G-750を用いたStructure From Motion(以下、SFM)を用いた。レーザー・スキャナは、計30カ所から、スキャンパラメータの分解能1/4で計測し、SFMは、取得した567枚の写真から3Dデータを生成した。 スフィンクスとスフィンクス神殿は the American Research Center in Egypt (ARCE) のSphinx Projectによって、1979年から1983年に考古学的な記録が取られて以後、四半世紀以上データがアップデートされていない。本調査では、包括的に建造方法の研究が行えるよう、それらの建造物だけでなく、実際に石が切り出された周囲の地形も含めた地理情報を取得することを目指した。この調査は、名古屋大学、エジプト考古省、米国Ancient Egypt Research Associates、関西大学、長崎県立大学との共同研究として行われた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年の調査では、まずドローンを用いて調査地全体を空撮し、取得した画像データからSFMで、おおまかな3Dモデルを生成する予定だった。しかし、エジプトの国家安全保障当局によって、ドローン撮影が延期されたため、GoProデジタルカメラとiPod(撮影用ロングロッド)によってデータ収集を行うことになった。さらに、3Dレーザー・スキャナでもデータを収集することができたため、当初の予定とは少しことなったが、おおむね順調に進展していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、延期されたドローン撮影を実施することで、神殿部の上部ならびに、スフィンクスの頭部などのデータを収集する。それらのデータをポストプロセッシングで統合することで、包括的なデータを作り上げ、そこから考古的解釈を行っていく。
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