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2018 年度 実施状況報告書

胎土分析に基づく弥生時代大型専用甕棺の生産と移動

研究課題

研究課題/領域番号 18K12556
研究機関鹿児島大学

研究代表者

石田 智子  鹿児島大学, 法文教育学域法文学系, 准教授 (40624359)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワード土器 / 物質文化 / 胎土分析 / 弥生時代 / 考古学 / 地球科学 / 生産 / 移動
研究実績の概要

本研究の目的は、日本列島の手工業における土器生産の分業がはじまる社会背景を検討することである。特に、北部九州地域の弥生時代中・後期の埋葬棺である大型専用甕棺を対象に、土器生産体制や移動現象からみた社会関係の変化を解明する。分析方法は、考古学的分析手法に基づく型式学的検討および地球科学的分析手法を用いた胎土分析を併用する。まず、甕棺の形態的特徴を考古学的手法で検討して地域性や規格性を析出する。次に、胎土分析を実践することで、甕棺の原材料の特徴から製作場所を特定し、移動現象を把握する。甕棺の考古学的検討および胎土分析結果を、これまで蓄積してきた日常土器・赤彩土器の胎土分析結果と比較することで、土器生産体制を検討する。以上の成果を統合することで、社会の複雑化が進展する段階における手工業生産の変容プロセスを解明する。
平成30年度は、北部九州地域の弥生時代中期を中心に、大型専用甕棺データベースを作成した。さらに、データベースを踏まえて、実際に胎土分析を実施する遺跡を絞り込み、分析資料の選定を行った。九州歴史資料館の協力を得て、福岡・筑紫・南筑後を中心とする地域の大型専用甕棺336点・弥生土器100点の資料を収集した。観察・写真撮影・顕微鏡写真撮影などの考古学的記録の作成、形態的特徴などの型式学的検討を進めた。資料収集は今後も継続して実施予定である。また、併行して、関連分野の研究者との議論を通じて、分析方法やデータ解析方法の改善および洗練化を進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

関連機関の協力を得て、速やかに資料収集を行うことができた。胎土分析に着手する前段階の考古学的データ整理も進んでおり、次年度以降の早い段階で分析試料の作成をはじめる予定である。

今後の研究の推進方策

当初の予定以上に良好かつ重要な資料を多量に収集することができたため、アルバイトの協力を得て分析試料の作成を進める予定である。また、北部九州以外の中九州・南九州の資料調査を早めに実施することで、分析対象資料の全体像を把握する必要がある。

次年度使用額が生じた理由

当初の想定以上に多量の分析資料を収集することができ、これから胎土分析に用いる分析試料を作成する労力がかかることから、次年度以降にアルバイトを雇用する謝金として確保した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 幅地区における墓域の土器廃棄遺構と出土土器2019

    • 著者名/発表者名
      石田智子
    • 雑誌名

      幅・津留遺跡(熊本県文化財調査報告)

      巻: 336 ページ: 277-288

  • [学会発表] 弥生・古墳時代移行期における薩摩・大隅の集落と墳墓の動態2018

    • 著者名/発表者名
      石田智子
    • 学会等名
      第21回九州前方後円墳研究会
  • [学会発表] 高精度胎土分析による土器研究の新展開2018

    • 著者名/発表者名
      石田智子
    • 学会等名
      琉球大学平成30年度研究セミナー

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公開日: 2019-12-27  

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