本研究は日本列島の古墳時代を対象に、古墳から出土する外来系農工具を検討したものである。外来系農工具のうち、とりわけ鉄柄斧に注目し、日韓の資料を特別観覧することで、その変遷や系統を中心に基礎的な研究を進めた。結果、日本列島の外来系農工具の位置づけを明確化し、単純に文化が朝鮮半島から日本列島に流入したのではなく、逆に日本列島から朝鮮半島へ逆輸入される形で農工具が伝わる事もありうることを指摘できた。 このほか外来系(渡来系)をキーワードにして論文・研究ノートや資料報告などを発表した。さらに東京国立博物館の展示で研究成果を紹介した。このように今後の研究を推進するうえでの、基礎研究を進めることができた。
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