研究課題
若手研究
研究代表者の所属変更、新型コロナウイルスによるパンデミック等の影響で、本研究はヤベオオツノジカやヘラジカを対象とした当初の研究計画からは方針を大きく転換せざるを得なかったが、エナメル質マイクロウェア(微小摩耗痕)分析の基盤となるシリコーン印象材についての重要な知見が得られたことに加え、未解明であった琉球列島における更新世の絶滅シカ類化石の産状に関する新知見を蓄積できたという点において大きな成果が得られた。
骨考古学
エナメル質マイクロウェア(微小摩耗痕)分析の基盤となるシリコーン印象材について、印象精度を左右するのが動的粘弾性(硬化のパターン)であることを示し、この分野の分析法の標準化に貢献した。また、琉球列島における更新世のシカ類の産状に関して久米島町下地原洞穴遺跡の発掘調査を進めることで新知見を蓄積した。これは、今後更新世シカ類の絶滅時期やその要因を検討する際に重要な意義を持つ。