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2018 年度 実施状況報告書

放牧地における「景観の分断化」に関する地理学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 18K12575
研究機関摂南大学

研究代表者

手代木 功基  摂南大学, 外国語学部, 講師 (10635080)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード景観 / 放牧地 / 分断 / アフリカ / モンゴル
研究実績の概要

本研究は、地球上に広く分布しながらも開発から取り残されてきた放牧地における、土地の私有化・囲い込みや保護区の設置、土地利用の変化等によって進展する「景観の分断化」の実態を解明することを目的としている。景観の分断化が進む放牧地において、牧畜民の放牧システム、そして放牧を支える基盤である自然環境の変化について実証的に分析することを通して、景観の分断化によって変化している放牧地における「人ー家畜ー自然環境の関係性」を総合的に解明していく。
平成30年度は、研究体制を整備するとともに、関連研究のレビューを重点的に実施した。これらのレビューによって以下の点を整理した。すなわち、牧畜民にとって景観の多様性(不均一性)が不確実な自然資源利用の担保となってきた点、一方で放牧地においては私有化や自然保護区の設置・農耕地の増加等によって景観が変容している点、さらに景観変化と関連しながら放牧地の土地利用形態が変化してフェンス等の物理的な境界が設置されている点、結果的に景観の分断化が多様な景観へのアクセスを減少させ、放牧地の資源に依存して暮らす牧畜民に負の影響をもたらしていること等を複数の文献をもとに整理した。この作業を通じて、取り組むべき課題がさらに明確となった点は今後の研究に取り組む上で重要な成果となった。
さらに、平成30年度はモンゴル・ケニアに渡航してフィールドワークを実施し、家畜の移動経路や気象データ等の定量的な結果を得ることができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

文献のレビューや研究環境の整備は予定通り実施し、今後の成果発信に向けて順調に進展しているといえる。
一方で、社会貢献活動中に事故にあい、長期間の入院・通院によって半年間以上研究活動が停滞した。そのため、計画していたフィールドワークを実施することができず、想定していた研究計画からは遅れているのが実情である。

今後の研究の推進方策

フィールドワークを実施し、現地でしか得られない定量的なデータを得ることが肝要である。そのため、これまでの研究実績があるナミビア及びケニアに渡航してフィールドワークを集中的に実施する予定である。
また、次年度以降は積極的に研究成果を公表していく。

次年度使用額が生じた理由

不測の事故によって予定していたフィールドワークが実施できなかったため。次年度以降にフィールドワークを実施することで使用する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2019 2018

すべて 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件)

  • [学会発表] ケニア山,Tyndall 氷河の後退域における大型半木本性植物の実生の動態と分布の特徴2019

    • 著者名/発表者名
      手代木功基
    • 学会等名
      2019年日本地理学会春季学術大会
  • [学会発表] 昆虫食文化の多様性:ナミビアと日本を事例として2018

    • 著者名/発表者名
      手代木功基
    • 学会等名
      日本沙漠学会乾燥地農学分科会講演会
    • 招待講演

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公開日: 2019-12-27  

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