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2020 年度 実施状況報告書

放牧地における「景観の分断化」に関する地理学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 18K12575
研究機関摂南大学

研究代表者

手代木 功基  摂南大学, 外国語学部, 講師 (10635080)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワード景観 / 放牧地 / 分断 / ナミビア
研究実績の概要

本研究は、地球上に広く分布しながらも開発から取り残されてきた放牧地における、土地の私有化・囲い込みや保護区の設置、土地利用の変化等によって進展する「景観の分断化」の実態を解明することを目的としている。景観の分断化が進む放牧地において、牧畜民の放牧システム、そして放牧を支える基盤である自然環境の変化について実証的に分析することを通して、景観の分断化によって変化している放牧地における「人ー家畜ー自然環境の関係性」を総合的に解明してい く。 2020年度は、covid-19の影響によって現地調査を実施することができず、主として文献のレビューを実施するとともに、予備的に衛星画像解析を実施して新たな研究展開について模索した。
文献のレビューの結果、牧畜民にとって景観の多様性(不均一性)が不確実な自然資源利用の担保となってきた点を複数地域における実証研究から確認することができた。一方でこれまで放牧地となってきた場所が、近年私有化にともなって景観が変容し、土地利用形態が変化しているという調査対象地域の現象に関しても、同様の事例が他地域においても増加していることを明らかにした。これらの変化は、結果的に家畜の多様な景観(=さまざまな採食資源)へのアクセスを減少させ、放牧地に依存して暮らす牧畜民に負の影響をもたらしていると示唆され、早急に成果をまとめていく必要がある。
今後は、これまで実施してきたフィールドワークの結果と先行研究との比較を通じて、放牧地における景観の分断化に関する知見を蓄積し、成果をまとめていくとともに、衛星画像解析結果が分断化といかなる関係にあるかについても情報を収集し、発展的に研究を展開していく。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

フィールドワークによるデータ収集が研究の根幹をなす本研究において、covid-19の影響によって現地調査を実施できなかったため研究は遅れている。ただし、文献のレビューや現地調査の代替としての衛星画像解析の可能性を検討したことは、今後の研究の発展に好影響をもたらした。

今後の研究の推進方策

研究期間を1年間延長し、研究実施することとするが、現地調査を実施することは引き続き厳しい状況にある。そのため、これまでの研究成果をまとめる作業を実施するとともに、リモートセンシング技術とこれまで収集してきた現地調査結果の統合を目指し、今後の研究をさらに発展的に展開していく予定である。

次年度使用額が生じた理由

covid-19の影響により予定していた海外調査を実施することができなかったため。そのため、次年度に成果公表に必要な英文校閲費等、及び成果発表に必要な物品費・旅費(可能な場合)として利用する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] 四国山地西部におけるトチノミ食の変遷:高知県いの町本川地域の事例2021

    • 著者名/発表者名
      手代木功基
    • 雑誌名

      摂大人文科学

      巻: 28 ページ: 29-38

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] トチノキ巨木林の成立にみる環境―人間関係: 滋賀県 朽木地域を事例に2020

    • 著者名/発表者名
      手代木功基
    • 学会等名
      日本地理学会2020年秋期学術大会シンポジウム
    • 招待講演

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公開日: 2021-12-27  

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