本研究は、地球上に広く分布しながらも開発から取り残されてきた放牧地における、土地の私有化・囲い込みや保護区の設置、土地利用の変化等によって進展する「景観の分断化」の実態を解明することを目的としている。研究期間中、最も重視していた海外調査を実施できない期間が長期に渡ったため、現地調査を十分には行えなかった。一方で、文献研究の結果、景観の分断化が進む放牧地が世界各地にみられること、放牧システムと放牧地の自然環境の変化に関して世界的に共通点がみられることが明らかになった。これらの成果をもとに、調査対象地であるナミビア乾燥地域の景観の分断化を世界的な動きに位置づけ、成果を発信していく予定である。
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