| 研究課題/領域番号 |
18K12579
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| 研究機関 | 横浜国立大学 |
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研究代表者 |
鈴木 允 横浜国立大学, 教育学部, 准教授 (70784651)
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| 研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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| キーワード | 近代 / 寄留 / 工業化 / 都市化 / 人口移動 |
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| 研究実績の概要 |
寄留関連資料の分析から得られた知見をまとめた成果は、これまでに『豊田市史 近代資料編Ⅲ』及び『同 近代通史編』の担当章としてまとめられているが，それをベースにして，追加の分析を行いながら，改めて学術研究論文としてまとめていく作業を昨年度に引き続き進めた。
研究成果としては，研究論文のレビューを改めて行い，近代日本の地域的人口動態と人口移動に関する研究の課題の析出を進めたものが，日本人口学会の研究報告書所収の単著論文として掲載された。人口移動と自然動態の関係性という視点から，近代期の地域人口研究におけるこれまでの蓄積が，どのように位置付けられるかを検討した。また，そのような研究において寄留関係の資料の利用価値が高いことを再確認した。一方で，さらなる分析を進める上では，史料批判に立ち返って，寄留関連資料の持つ人口分析のための資料としての活用方法を精査していく必要性が認められたことから，特に寄留簿のデータベースからどのような知見を示し得るのか，その可能性について検討を進めた。その成果は次年度に日本人口学会にて報告予定である。
一方，昨年度からの継続的な取り組みとして，昭和初期における産業化と戦時体制に移行する時期に，主に職工の移動がどのように生じていたのかを，トヨタ自動車工場近隣のアパートの住民の出入りの記録から分析する研究も進めた。こちらは，年度内に成果を公開する段階には至らなかったが，次年度中の成果発表を目指したい。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2022年度は，ある程度コロナによる調査活動の制限は緩和されてきたが，調査・分析を予定していた期間にまん延防止措置がかかったり，自身が罹患したりして，分析が十分に進められなかった。また，コロナ対応も含め，想定を大きく超えて校務や学会関連など学内外の業務に忙殺されてしまい，本研究課題の遂行に労力を十分に割けなかった。
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| 今後の研究の推進方策 |
昭和初期におけるトヨタ自動車工場近隣のアパートの住民の出入りの記録から分析する研究に着手しているので，その分析結果を早めにまとめ，次年度中の成果発表を目指す。
また，関連分野の研究レビューと，研究方法論についての再検討を進め，未だに確立していない寄留関連資料の分析方法論について，その確立を目指す。
さらに，前年度からの継続で，寄留者の職業や家族構成についての分析について，『豊田市史』の中に収録した内容を発展させ，歴史地理学研究の成果として発表していく予定である。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
Covid-19の影響が依然として残り、学会や研究調査のための旅費、調査にかかる費用がほとんど発生しなかったため。また、校務等が予想以上に多忙となり、研究活動に時間を割くことが満足にできなかったこともある。
次年度は、現地調査や学会・研究会に参加するとともに、データの入力・整理のための人件費・物品費、研究に関わる文献・資料等の購入で使用する予定である。
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